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部族の絨毯と布 caffetribe

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部族の絨毯と布

バルーチ族に魅せられて

展示会の最終日にバルーチ族の好きな方に出会いました。
その方はサルーキ犬というアフガンハウンドに似た犬を飼ってらして、その犬から遊牧民に惹かれるようになったそうです。チラッと拝犬致しましたが、高貴そうな犬とは、おもえない雰囲気を持ったサルーキ犬でした。サルーキはトルクメン系の氏族サルークと同じでは等と想像しています。

▲そこでバルーチ族について・・・。
「キリムや絨毯はは色だ!」と言われるように色彩の乏しい砂漠に生きる遊牧民にとって、色の組み合わせは重要です。イランのカシュガイ族などに見られる花畑のようなカラフルでメリハリのある毛織物が多い中で、バローチの色使いは渋いです。 クルド系やバクチアリ、ロリ族などキリムの特徴の見分けが難しいなかで、バローチ族のものは直ぐに見分けられるようになります。
特に濃い色を好むので全体としては暗い印象を受けますが、日光などの強い光で見ると、これまでに見えなかった同色系での微妙な色の違いが見えてきます。そして、その渋い色合いに白やオレンジ色を少しずつ散りばめるセンスは見事です。植物の絶対数が少ない不毛な土地なために、華やかな色の染料が少ないことと、日差しが強いため暗い色が目に優しいということも有るようです。この神秘的で引き込まれるような色彩感覚は、「わび・さび」というような控えめ色を好んできた日本人の感性にも合うようです。
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タイムーリバルーチ ドクトレカジィデザイン

祈祷用絨毯(ジャイナマーズ)…バローチを代表する面白い絨毯のひとつがお祈り用のラグです。
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ホラサーン地方のバルーチお祈り用絨毯

有名な「裁判官の娘」のデザインをはじめ、手の込んだ文様のものから、凸型の素朴なものまで幅広い表現が見られます。色彩もアフガン地方に多い深いブルー系のものとイランホラサーンに多いラクダの毛と赤を組み合わせた色彩のものが代表です。

裁判官の娘と呼ばれる絨毯

ガリィ・ドクトレ・カジィ

バルーチ族には絨毯にまつわる美しい物語が伝えられています。
150年ほど前の事です。ある村に評判の美しい娘がおりました。
彼女はタイムーリ族の高名な裁判官の娘でした。ある時バールリ族(他支族)の若者が彼女を見初め求婚します。彼はバールリ支族のシャーマン(祈祷師)でした。ところが裁判官の父親に二人の結婚は猛反対され、結婚はおろか彼は村から追放され,娘は監禁されてしまうのです。 

さて二人はどうなってしまうのでしょう・・・? (つづく)
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▲これがかの有名なドクトレカジィ(裁判官の娘)の絨毯です。
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by caffetribe | 2006-02-21 16:38 | 部族の絨毯について。