イカットとベシール絨毯
▲ウズベク系~とにかく華やかな色彩の刺繍(スザニ)や絣(チャパン)を好む。
▲トルクメン系~とにかく赤が好き!衣装など一部は刺繍もあるが、圧倒的に絨毯。
これはシルコロードのオアシス都市フェルガナ盆地を中心に、養蚕したシルクを先染め(絣)技法で織ったチャパンと呼ばれる民族衣装です。(男性も着ます)
▲絣はインド~中央アジアで生まれたと考えられている技法で、織り機にかける前の糸を、他の糸で括って柄を表現する先染めの織り技法です。インドのサリー用に織られたグジャラートのパトラ(タテヨコ絣)があまりも有名ですが、このウズベク~新疆ウイグル地域のの絣(タテ絣)も大胆で面白い物が多いです
また、このウズベクの絣の影響をうけたと考えられる、モチーフがトルクメンのベシールと分類される絨毯に時々現れます。
▲まずは例のジョントンプソン氏のオークションで獲得できなかったベシールの(チュワル)
▲チュワル=ジュワルは、遊牧民が移動やテント内で主に衣類等を収納する大型の袋もの。
特にトルクメン系部族にはこのチュワルに大変素晴らしい物が多い。テッケやサリークなどその支族を代表する家紋のような、力強いギュル(モチーフ)が描かれる。
▲前回紹介したベシール絨毯の部分にも、確かに絣文様に似た、モチーフが織られているしかし、絣には織る前と織り上がりが、染め糸の微妙なかすれやずれで文様にゆらぎのような不思議な変化が見られ、それがいい味わいになっているのだが、絨毯にはそのあたりが見られない。
▲絨毯には絨毯独特の使い込んだとき
に出てくる、羊毛の艶やさらに使い込
んだときに出てくる、色の透明感など
他にない味わいがありそれぞれの
手仕事にそれぞれの面白さがある
ように思う。