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部族の絨毯と布 caffetribe

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部族の絨毯と布

marshアラブ『沼地のアラブ人』

2回ほど続けて紹介したイラク南部の刺繍布を、実際に作っている人々に興味は深まり是非とも会いたいと考えているところへ、orientlibryさまから貴重な情報がとどきました。

チグリスとユーフラテスの交わる沼地にすむMarshArabsという人々は約5000年もまえからこの地域に住んでおり、シュメルとバビロニアの流れを汲んでいる。1970年代までは約350000~500000人も住んでいたらしい。
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photo by Edward L O.

季節による川の推量の増減で土地が姿を変えるという、泥に覆われた地域で5月~6月には最高の水位、8.9月~10月には最低の水位となり、雨季の12月には突然の洪水に見舞われたり、遠い水源のアララト山などからの雪解け水によっては、大洪水になることも・・・。
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photo by Edward L O.

それは、冬の寒気を帯びた湿気と春の砂嵐、真夏の想像を絶する暑さと乾きのなかで生活する事でもある。また、湿地特有な蚊や吸血寄生虫の発生や毒蛇なども多いようだ。
どうしてこのような生活環境の中で、5000年も暮らしてこられたのか・・・。
それは同時に外部の者の進入を防いできたのかもしれないが・・・?

人間が住むのには極めて厳しくとも、湿原を好む渡り鳥やコイなどの魚などにとっては楽園のようで多くの野生動物にとってはこの地域は重要な役割を果たしてきたようだ、現にMarsh Arabsの人たちは1970年にはイラク全土の魚業の3分の2のを担っていたという報告もあった
ところがその後のサダムフセイン政権とイランvsイラク戦争~湾岸戦争によりこの地域の生態系が大きく変わるほどの被害を受けたらしい。湿地帯の面積は20分の1になってしまったという報告もあり、多くのMarshArabsの人々が難民になり居住地域を奪われたようだ。
しかし、このところすこしずつ回復しているという報告も入っている。皮肉な事にイラク戦争でサダムフセイン政権が崩壊した事が幸いしたようだ。しかし今の状況では落ち着いた現地調査もなかなか難しいようである。

こんな美しい刺繍をする人々の住む地域が、今後も残って欲しいと願うばかりである。
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by caffetribe | 2006-04-24 18:23 | 部族の絨毯について。