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部族の絨毯と布 caffetribe

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部族の絨毯と布

『赤穂緞通を尋ねて』-3

■赤穂緞通の技法と特徴-1
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       赤穂緞通に欠かせない握り鋏

現在では、ほとんど知られていない日本の手織り絨毯の世界ですが、産業史的に見れば盛んに織られた時代もある。

■最も古い佐賀鍋島が江戸時代、明治から大正そして第2次世界大戦以前の昭和期まで続いた播州赤穂、そして明治20年代から大正初期にかけて輸出産業として発展した大阪の堺を中心に織られた、いわゆる堺式緞通があげられる。

出島から、中央へ通じる長崎街道沿いので鍋島はある意味でシルクロードに最も近いかも知れない。その鍋島が最も影響をうけたと考えらるのが、色彩文様からみても甘粛絨毯ではなかろうか?
■17~18世紀(1662-1722)には中国北部の甘粛周辺にて、大変に洗練された絨毯が織られていた。
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甘粛絨毯 17~18世紀 Jon thompson コレクション N.Y.satheby,s 1993

■絨毯といえばやはりオリエント地域のぺルシアやトルコそしてその流れを汲む、中央アジアや新疆地域、そしてチベットや中国など大陸の遊牧系民族が圧倒的に中心であった。
多くの手工芸品がそうであるように、それらが日本に流れ着き日本独特の発展を遂げる。
これは良くも悪くも、日本人の古来から最も得意とするところだが、このように日本風にアレンジ
されたものが、世界的に高く評価され実際に本場のオリジナルに引けを取らないものに昇華するそういう観点から見れば赤穂緞通がもっとも独自な発展を遂げたと言えるだろう。
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      鍋島 牡丹唐草文緞通 江戸~明治 佐賀県立博物館 個人蔵

■なぜならそこには日本独自の、技術が隠されているからである。
絨毯=パイルという、基本的にはタテ糸に起毛状に糸を結ぶという非常に手間のかかる作業の連続で,ヨコ一段ずつ端から端まで結び目を積み上げていくという技法。

詳しくは、トルコ結び(対象)・ペルシア結び(非対称)(この二つがほとんど)を中心に、チベットや北アフリカのベルベル、スパニッシュなどのバリエーションが確認されている。
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赤穂 蟹牡丹文様 明治~大正 Frants Bausback collection

■赤穂緞通の独特の技法
摘み》
赤穂緞通の最大の特徴は独特の鋏を用いて、結ぶ=はせ糸を文様に沿って切りそろえる事にある。この行為を摘むと呼んでいて、これはオリエントの絨毯ではあまりみられない独特の技法と言える。
摘みの工程1.筋摘み。2.地摘み。3.仕上げ摘み。という独特の鋏を使って起毛した部分を
刈り上げることで文様に独特の立体感ときりっと引き締まった印象を与えている。
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by caffetribe | 2006-07-04 16:48