プレイヤーラグ考ー1
シンプルな凸型のものから、かなり緻密な曲線的なものまで、地域・民族・部族により
変化やバリエーションに溢れている。
まずバルーチ族系のプレイヤーラグは大きく二つのタイプに分かれそうだ。
その一つがこの凸型。
解りやすく聖地の方向を目指すシンプルな造形。
ただし、このシンプルな凸形の中にも部族部族によってそれぞれの特徴が表現され
ている。
上のプレイヤーラグはアフガニスタン西部のタイムリー系バルーチのDokhtr-e-Qaziと呼ばれて
いるデザイン。中央の凸の内側や手を置く部分のモチーフが特徴的だ。
これはイランのホラサーン地方の同じバルーチ系部族のものだが、凸形は共通する
ものの中央や手の部分のモチーフはかなり違う。またその部分にはラクダの毛が
使われている。
文様はバルーチ族が好んで用いる8角星(エイトポイントスター)が配置されている。
続いてもイラン側のホラサーン地方のバルーチ族もので、上と同様に中央と手多く部分
にはラクダの毛を使用している。中央のモチーフは生命の樹をアレンジした、幹と枝
そしてバルーチ族の絨毯デザインに多く登場するギザギザの葉の形のモチーフ。
ただし、このラグは手を置く部分に手の形の文様が使用されている。
このほかにもこのような手形モチーフがバルーチ族のお祈り用のラグには時々見ら
れる。
他のモチーフと比べて少しマンガチックで、微笑ましくも思える。
イスラム圏で幸運をもたらすとして知られるファティマの手なのか、バルーチ族独特
のものなのかしばらく、考察して見たい。
ご存知の方がいらっしゃれば教えていただきたく・・・。