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部族の絨毯と布 caffetribe

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部族の絨毯と布

祈祷用絨毯考―Ⅲ

ICOC(国際じゅうたん会議)では、55のアカデミックセッションが行われ、
そのどれもが絨毯好きにとっては魅力的な内容であった。

イスタンブールのスイスホテルの2つの会場で平行して、朝の9時から
午後5時20分までほとんど休み無く続けられたが、中でも幾つかの
研究発表は大変に興味深いものであった。

会議3日目4月21日の午後14時45分から行われたルーマニアの国立
美術館の研究者Mircea Dunca氏とLuiza Gherghinescu女史による
『ルーマニアの国立美術館所蔵のTuducs Coupled-colum Prayer 
Rugの断片(Fragment)のオリジナルデザインの視覚的復元について』
というものだった。

このTuducs Coupled-colum Prayer Rugの断片(Fragment)絨毯は
左側中央から下部のみが残る、17世紀頃の寺院の柱とミフラーブが表現された
トランシルベニアンラグなどと共通する宗教的な意味合いに強い祈祷用絨毯である。

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【左側がその絨毯の全体で右側は拡大写真】

祈祷用絨毯や庭園絨毯においての専門的研究者であるMircea Dunca氏はL
uiza  Gherghinescu女史と共にブスカーニコレクションなどの数少ない資料
から、Tuducs Coupled-colum Prayer Rugの完全な復元を試みる。
そしてその祈祷用絨毯から現れたのが、アルメニアやユダヤの人々にとっては
命より大切な『神の現れ』を表す象徴であった。
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【写真上が復元した図案】

この発表のあとで会場がにわかに盛り上がり、数人からこの象徴的文様について
の質問とこの絨毯の再現に関しての賞賛の拍手があった。

ある老人が早口のトルコ語で幾つかの質問をしていたが、良く意味が解らずぽかん
としていたら、帰り際にそのいかにもユダヤ人と思われる白髪の老人が私の前で、
『This symbol is very important!.It is our Epiphany』とコメントを残して
くれた。

彼の質問の意味は良く理解できなかったが、この『エピファニー』という言葉を聞いた
とたん背筋を走る衝撃のようなものがあった。
そうやはりルーマニアのブカレスト出身のアカデミズムの巨人ミルチャ.エリアーデ
を思い出した。
『神の公現』
この祈祷用絨毯に籠められた思いと、なぜこの部分が削り取られるように破損して
いたのかなどが、頭の中を駆け巡り、しばし呆然としてしまった。
17世紀のエスファハンでアルメニア人達が織ったのではないのかなどなど・・・。

この絨毯を復元させたMircea Dunca氏とLuiza Gherghinescu女史には前日
のディーラーズフェアで偶然にある素晴らしいフエルトの作品の前で意気投合し
名刺を頂き彼らがブカレストから来たアルメニア人であることを知っていたで、なおさら
その感傷は深かった。
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by caffetribe | 2007-07-02 20:04 | じゅうたん会議