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部族の絨毯と布 caffetribe

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部族の絨毯と布

部族の赤い世界

大阪のある百貨店で部族の赤い絨毯を展示してきました。
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展示した絨毯のほとんどが赤い世界、それもとにかく濃い赤い絨毯の世界でした。
一年中でも最も熱い時期、それも回りは涼しげなガラスや青い陶器やタイルという中で、ある意味とても無謀な展示会であったかもしれません。
確かに会場を訪れた方の多くは、遠くから恐々と見る方、なかには正直に『この時期でなければねえ~』と的確なアドバイスも頂きました。

しかし今回はシルクロードの手工芸品展、それもトルクメニスタンという立場からの参加でしたので、赤い絨毯しかないという思いで望みました。
そしてそんな中、この赤い絨毯に感心を持ち、喜んでいただいた方もいらして展示した甲斐がありました。

『草原の赤い絨毯』
ユーラシア大陸の先住民族や騎馬民族にとって『白・黒・赤』の三つの色は象徴的な色に思えます。
生と死、光と闇、陽と陰など白と黒には人間にとって根源的な意味を持つ色といえそうです。
その中で赤は祭りや儀礼に欠かせない色として用いられてきたように思います。

中央ユーラシアを東西に勢力を保ってきたチュルク(トルコ)系の騎馬民族にとっても、この赤い色は、とても重要な意味を持ってきたと考えれています。

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絨毯・フエルト・スザニ・金属工芸などに秀でた手仕事の技を持つ彼らはその工芸品のなかに
これでもかと思えるほど、赤い色を使ってきました。その中でも中央アジアの雄トルクメン族は
赤の持つ呪力を信じてきた人たちかもしれません。

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トルクメン族の天幕の中には壁・床・壁周りと、絨毯・壁掛け・テントベルトなど、どれもが濃い赤い色が使われています。
気性の激しい彼らが厳しい環境の中最もくつろげるのがこの赤い世界に囲まれる時だというのです。

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かなり昔ですが、NHKのテレビ番組で『日本の美・いにしえの色』という番組があり、その中で
漆塗りの伝統のある北陸の輪島の近くのある村の庄屋さんのご主人が床・壁・天井すべて輪島塗の赤い部屋を自分の為に作り、時々そこに篭って気を静めていたという話が紹介されていました。

日本にもこの赤い部屋があったのです。また北方ユーラシアの騎馬民族古墳からも、赤い染料で染められた、天幕や布、絨毯などで部屋中を飾ったと思われる痕跡が残っています。

何故赤なのかこれからも少しずつ考えてみたいと思っています。
最も暑いこの時期暑中お見舞いのつもりが、またまた濃い話になってしまいました。
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by caffetribe | 2007-08-04 20:10