ブログトップ

部族の絨毯と布 caffetribe

caffetribe.exblog.jp

部族の絨毯と布

ダゲスタンの布『KAITAG』 2 (歴史と背景)

カイタグを育んだダゲスタンという地域は東西(ヨーロッパとアジア)の中心であっただけでは無く、北方の遊牧系民族と南へ広がった文明を持つ定住民を繋ぐ中心でもあったようだ。

カスピ海沿岸の町デルベンドなどは城塞機能の高い『鉄の門』呼ばれていたようである。
a0051903_17252913.jpg

カスピ海を望むデルベンド 《文明の十字路・ダゲスタン》図録より

この地域の人々が多民族・多言語を持つことを以前に紹介したがカスピ海沿岸にはもともとモンゴル系を先祖に持つ人々(アヴァール人)山岳地域の山々にはコーカサス系の先祖を持つ人々(ダルギン人)などが住んでいるようだ。これは本当に一例で多くのイラン系、トルコ=
アゼリー系、アラブ系、ロシア系など、異民族達の侵入も紀元前からつい最近まで続いていたようである。

a0051903_17315573.jpg

クバチ村の家並み  《文明の十字路・ダゲスタン》図録より

カイタグという布の名前でだが、おそらくこのクバチ地域の近隣のカイタグ地区という地名から由来しているのではないだろうか。

2006年の統計では人口2800人ほどらしい。

このような歴史的な背景と例をみない地理的条件がダゲスタンの見事な手仕事を生み出してきたのかも知れない。

周り全てが海で山がちな日本と地理的に似ているのではなどと想像してみた。四方から常に異民族の進入という危機の有無の大きな違いはあるのだろうが・・・。

       
a0051903_17395634.jpg

『KAITAG』 刺繍布 sabanci 展示会より
これひとつの類型を表す市松模様入りのものである。山の深いところでされたような気配を感じる。荒唐無稽な感がある。

イスタンブールの展示会でみた47枚の 『KAITAG』 にはどれひとつとして同じものは無く、それぞれが個性的であったが写真などでゆっくり見直してみると、それぞれが幾つかの類型に分けられるのではないかなどという想像が膨らんできた。

それはもちろん無謀なことなのだろうがかつて進入してきた、モンゴル系の柔然が先祖という説のあるアヴァール人やコーカサス、イラン、トルコ系などそれぞれに多少の味わいの違いが有るのではと感じてきた。
a0051903_17521467.jpg

『KAITAG』 刺繍布 sabanci 展示会より         
これは中心にメダリオンとコーナーのあるペルシア系か?もちろんサファビ朝などの絨緞に影響を受けたのかもしれないが・・・。

a0051903_17582729.jpg

『KAITAG』 刺繍布 sabanci 展示会より 
これはなんとなく部族絨毯に通ずるいい加減な文様の配置。もしかしたらトルコ系遊牧民の影響か・・・?

a0051903_1822528.jpg

         『KAITAG』 刺繍布 sabanci 展示会より 
そして他の47枚とは少し違った表情のこのシンプルな一枚
技術的にも稚拙なように見えるがなかなか味わいが有る。
もしかしたらシンプル好みのモンゴル系の血を引くものか・・・?

TEXTILE=(テキストの語源?)から、本当に色々なことを知ることが出来る。

最初の2枚の写真は図録《文明の十字路・ダゲスタン》からの引用 杉村棟氏撮影
      
[PR]
by caffetribe | 2008-02-05 17:42 | テキスタイルテキスト