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部族の絨毯と布 caffetribe

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部族の絨毯と布

命としての赤い色

文化服装服飾博物館の「赤い服」の展示も残すところ3日程になりましたが、時間が許せばもう一度足を運びたいほど、充実した濃い内容の展示です。ギャラリートークでも、学芸員の方が世界には本当にたくさんの赤い服があり、そのどれもがとても大切なものとして着続けられている。というお話がありましたがまさに「命の色」として愛用されてきたことが伝わってきました。
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                 ≪ イラン 南部 カシュガイ族の少女≫

また、面白かったのこれまでもかと言うほどの赤い世界の片隅に緑のプランターが置いてあり、不思議に思っていると赤いものを見続けると網膜にハレーションを引き起こし緑色の残像が残るいう解説と共に、ドクターが「手術の際などに着る手術着が緑色なのは、手術時に赤ばかりを見続けると残像で色が見難くなる現象が起こらないように、時々反対色の緑を見て、目を休めるということでした。同様に食肉を扱う人たちの作業着も青い色が多いのはそんな訳があるそうです。赤を見続けるということは、脳の中では緑色が反応しているという不思議な事実でした。
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                   ≪藍の生葉 高崎 草木染工房≫
赤には色々な効能もありそうです。よく赤い下着を着けると冷えないとか、血行がよくなるとか、はたまた自然治癒力が高まるとかある意味迷信のような話がありますが、非科学的でない話にも実は効果があるのではと思えてきます。博物館の展示でも特に赤いスカートや腰巻類が多く展示されていたように思います。
合成染料が出現するまで、自然界にあるマテリアルだけでどのように赤い色を抽出してきたのかは興味のあるところです。同時に深い赤い色を出は、いつの時代でも価値のあることであったように思えます。
最初に赤いものを集めて展示したときに、大変に面白い事実をしりました。
「染めは薬に始まる」という持論を展開された村上道太郎さんという染織家の本の中のお話です。
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                  ≪茜染めの糸≫
シベリアのアンガラ川支流のマリタ遺跡という2万5千年前の石器時代の遺跡から、赤い枕をした子供(3~4歳程度)の遺骨が出土し考古学者の中で話題になったことがあると言うものです。
当時は繊維などを織る技術は無かったかもしれませんが、赤鉄鉱という鉱物を意識的に子供の頭の下に置いていたのではないかいう説です。考古学者達は「この埋葬儀礼には、当時すでに死後も生前と同じ生活があるとの観念があったのではないか。」というものす。同時に亡くした子供が再び生命を得られるような命=血としての象徴が「赤い枕」ではなかったと言うのです。日本でも縄文時代の遺跡から、住居の直ぐ入り口に幼子の遺骨が埋葬されていることがあるそうです。古代では死は再生への入り口でもあったであろうし、子供を小さくして亡くした親の気持ちも痛いほど伝わってきます。新生児は青ではなく赤ちゃんです。

赤は生命の色といえるのではないでしょうか?
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                ≪トルクメン ベシール ラグ クラウドバンド(雲龍)デザイン≫
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by caffetribe | 2009-09-27 00:04 | Life is color