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部族の絨毯と布 caffetribe

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部族の絨毯と布

赤い色をめぐるフォークロア

いよいよアジアにまつわる赤い色の展示がはじまりました。
今回の展示は”手仕事フェスタ2.”のアジアをもっと深く知るイベントの中のひとつです。
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赤い色については、これまでに少しずつ紹介してきましたが、文化服装博物館の「赤い服」の展示会にも「色の持つ意味に着目したことが面白い」という感想が多く寄せられたようです。アジアの先住民や部族にとって赤はやはり特別な意味があったという思いが膨らみます。
今回の展示でも、アジア各地の手仕事があつまりました
トルクメンの絨毯・装身具・トルコ・イラン・アフガニスタンのキリムや絨毯、チベッタンラグ、インド更紗、カンボジアシルク、インドネシアのテキスタイル、中国家具などアジアの赤を飾りつけ、エスニカさんのお店が赤に染まってゆきました。
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そんな時思い出したことがありました。
20年も前の「日本の美・いにしえの色」というテレビ番組(NHK)で紹介された石川県の輪島に近い鳳至郡柳田村にある「赤い部屋」の話です。詳しいことは忘れてしまったのですが、輪島塗で有名な地域ですが、ある人が自宅の土蔵の一室に床・壁・天井すべて赤い漆塗りの部屋を作ったというのです。
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「赤い部屋」の主人は、畑仕事の合間に何年もかけて自分のために作ったそうで「ほとんど誰もいれずに、ただ自分が時々部屋に籠もって気を鎮めていた」と説明していました。どうして雪深い寒村にこんな豪華な部屋を自分のために作ったのかとても疑問に思っていました。
子供の頃なにかで、真っ赤な部屋に閉じ込められると「気がおかしくなる」と聞いたことがあって「気が鎮まる」
とは対極にあると思ったからです。
その後、先に紹介したトルクメン族など,テントの中を赤で覆う人たちの存在を知り,ますます疑問が深まりました。
現地のトルクメン族に聞くと、なんと赤に囲まれるとリラックスできると言うのです。
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インドの神話「リグ・ヴェーダ」に度々登場する森のカミ「ルドラ」は赤い髪と充血した目で”野人”のように裸で森を咆哮しながら走り回ります。「ルドラ」とは「赤」・「血色の良い」・「泣かすもの」等の意味があり「ソーマ」という酒に酩酊し、あるときは森に住む賢者や行者に恩寵を施し、あるときは荒ぶるカミとして畏れられています。これは奥三河の「花祭」などに登場し悪霊を追い払う鬼達の赤い仮面と赤い装束にも共通します。
また、私達の良く知るサンタクロースも3世紀末の小アジア「現在のトルコ」がルーツで赤い帽子に赤い外套を着てクリスマス・イブの晩に家々を訪れます。
このほかにも赤い衣装には特別な意味があったようで、旧約聖書のモーゼからシベリアのシャーマンにいたるまで「赤い服・赤い織物」には呪術的世界に満ち溢れています。
それらは同時にユーラシアアジアをひとつに結ぶ「赤い道」としての意味を持っていたかもしれません。
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多くの方々の協力で実現したアジアの赤い世界、そこに居ると、気が静まるのか、あるいは高揚するのか、是非体験してみて下さい。

期間は11月1日までです会場は青葉台エスニカ
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by caffetribe | 2009-10-04 11:58 | Life is color