ブログトップ

部族の絨毯と布 caffetribe

caffetribe.exblog.jp

部族の絨毯と布

鳥文様が意味するもの

10月10日土曜日に、横浜市の日の出町にあるアジアンギャラリーグリーンクラフトさんにて「文様について」のレクチャーを行いました。会場はほど良い広さに丁度いい人数が集まりました。
遠くから、お越し頂いた方々にお礼申し上げます。
準備不足で少しわかりにくい部分もあったと思いますが、熱心な方も多くとても良い雰囲気でした。

はじめは文様の発祥と発達と言うことで、以前このブログでも紹介したネアンデルタール人と現代人の脳の発達の違いを認知考古学的なアプローチで洞窟に残された壁画の紹介などから始めました。
●流動的知性の発達(ラスコー洞窟の芸術的絵画)
  知性の発達の段階 ①社会的知能 ②博物的知能 ③技術的知能とその流動性についてです。
今回のメインテーマは 2.象徴としての文様
 人は何のために文様を象徴化してきたのか?(生きるための知恵の象徴=イメージが文様化された)
私達現人類が困難な氷河期や旱魃を何ゆえに生き延びることが出来たのか?文様に籠められた意味を知ることで、私達が飛躍的に発達した知能の働きを象徴を表すことに求めてみたかったのです。

同時に私達の信仰の対象や宗教の変化に伴い表現される文様はどのように変化してきたのかを知ることも大事だと考えました。
◎信仰の対象としての文様
    時代とともに変化する象徴の対象
    1.動物や自然界に対する畏れや感謝を表す(アニミズム時代)
    2.先祖信仰や呪術師など人やスピリットを象徴とする時代(シャーマニズム的)
    3.一神教や仏教などのいわゆる宗教が生まれ信仰となる時代
絨毯やキリムの文様は、これらの信仰の対象として多様な時代や地域広がりにリンクしたモチーフが見られます。
a0051903_22284391.jpg

例としておよそ2400年前のサカ族(スキタイ)の陵墓から出土した様々な埋葬品、特に絨毯(パジリク絨毯)やフェルトなどに注目し、一神教がユーラシア大陸に広がる以前の時代の貴重な文様世界を紹介しました。
この時代にはすでに完成度の高い職能集団が存在したことを想像させる、技術と芸術性を兼ね備えた美しくまたダイナミックな象徴的モチーフが見られます。絨毯も同様です。
この時代は、動物や鳥などのモチーフも多く使われアニムズムとシャーマニズムが交差する時代であったかもしれません。特に鳥が登場するモチーフは多く見られそれらがなにかを暗示しているかのようにも受け取れます。
a0051903_22373668.jpg

a0051903_22375815.jpg

絨毯や布布などのテキスタイルはたんぱく質素材なため、長い時間が経つと風化してしまいますが、土器や青銅器などこの時代の信仰や象徴的造形を表す出土品には鳥を模ったものが多く見られます。
a0051903_2243146.jpg

a0051903_2243453.jpg

a0051903_22433295.jpg

こららの土器はイランを中心に出土したものですが、鳥や動物の頭がなにかの信仰として力を持っていたかのようです。

a0051903_22464780.jpg

a0051903_2247996.jpg

信仰としての文様  ◎イラン高原に栄えた先住民文化(ルリスターン文明からの考察)
動物の頭のモチーフ・・・動物の頭が意味するもの(animal head colum)
以前に度々紹介したJ.Opie氏のトライバルラグに紹介されたキリムや絨毯のモチーフはまさに信仰の対象としての文様のようです。
アナトリア半島のユリュックからトルコ語系~ペルシア語系~アラブ語系に至る多くの遊牧民や騎馬民族のモチーフに共通する「動物の頭のモチーフ」其れが何を意味するのかに迫ってゆきたいと思います。

参考文献:「シルクロードの土と形山内和也著 シルクロード研究書展示会図録より。
[PR]
by caffetribe | 2009-10-15 22:56 | 文様から観えること