ブログトップ

部族の絨毯と布 caffetribe

caffetribe.exblog.jp

部族の絨毯と布

Bird design rugs 鳥文様の絨毯やキリム

鳥文様を好む部族として、バルーチ族の絨毯が上げられる。そもそもバルーチと言う意味がクルド語の鶏の鶏冠(トサカ)に由来しているらしい。これはバルーチ研究家で、バルーチ&ブーラフィー語に詳しいM先生から聞いた情報なので、信頼できる。
何故鶏のトサカが語源かというと、戦いの時に被る兜の形がトサカのようだという説があるらしいが、個人的にはバルーチ族の男達が頭に巻くターバンの巻き方がお洒落で、まさに雄のシンボルのような立派な鶏冠に見えるのでは?等と思っている。
a0051903_22373360.jpg

《資料提供 W大学 M先生古い絵葉書より。ブーラフィー族長》
この鶏冠のある鶏のモチーフは絨毯やサドルバックの表皮にも時々表現されるが、オリジナルの古いものは
欧米のコレクターの所有するものとなっていて、現地でも中々入手が難しくなっている。
a0051903_22422465.jpg

J.W.Bauchar Collction Baluch Woven Treasures
ブログでも再三取り上げている本だが、実に素晴らしいコレクションばかりを集めたカタログで、残念だがおそらく二度とこのようなまとまったコレクションは難しいだろうと思われる。いつか日本でもこのコレクションを見ることが出来る日が来ることを願っている・・・・・。
a0051903_22523687.jpg

a0051903_22525731.jpg

a0051903_22533924.jpg

《上のいくつかの鳥文様はいずれもバルーチ族の絨毯やサドルバック》

また鳥のデザインを巧みにアレンジしてキリムやスマック技法で表現しているのがシャーセバン族である。
a0051903_2256585.jpg

《シャーセバン ヴェルネ ジジム J.Opie TIBAL RUGS より引用》「
バルーチ族の鳥文様が鶏冠のあるに鶏が多いのにたいして、シャーサバン族にの表現する鳥は尾に特徴のある孔雀系の鳥が多いようだ。孔雀はもちろん姿が美しいが、蛇なども攻撃する強気な面も持っていて強さと美しさを併せ持つ事が大好きな遊牧系民族には特に愛されているようだ。またインドなどでも婚礼用の布などに孔雀文様の刺繍などが施されることから御めでたいシンボルでもあるようだ。
a0051903_233829.jpg

《シャーセバン サドルバックの表皮  J.Opie TIBAL RUGS より引用》
a0051903_2353594.jpg

《シャーセバン ヴェルネ  ジジム J.Opie TIBAL RUGS より引用》
上の通称ヴェルネァと呼ばれる毛織物は、シャーセバンの卓越した文様表現と色彩センスが見事に組み合わされた名作としてあまりにも有名だが、このごろは市場で見かけることはほとんど無いコレクターピースとなっている。
a0051903_239039.jpg

《シャーセバン バック表皮 パイル 》

このパイルのバック表皮に表現されているのも、鳥のように見える。パイル技法の少ないシャーセバン族のバック類だが、ユニークなモチーフの鳥が可愛らしい。

このように多くの部族に愛される鳥の文様は、無意識の世界を行き来して、直感的なひらめきや予知能力をもたらし、祖霊と繋がる霊的能力や、自由への憧れとして表現されてきたのだろうか・・・。
[PR]
by caffetribe | 2009-10-27 23:17 | 文様から観えること