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部族の絨毯と布 caffetribe

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部族の絨毯と布

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今から20年ほど前、絨毯の仕事を始めた頃絨毯に関する本を見つけるとあまり深く考えずに、余裕があれば
購入しそのまま本棚の肥やしとなっていた本が数冊あった。
当時は代表的な都市工房ものいわゆるペルシア絨毯を扱っていたこともあり、その産地やデザインの確認程度にしか見ていなかった本を開く機会があった。
タイトルは「The Oriental Carepet」というそのものずばりというもので、著者はP.R.J.FORD氏である。
サブタイトルとして、A History & Guide to Traditional Motifs,Patterns,and Symbols
べたに「伝統文様について歴史とガイド」という内容になっている。

この本を開くきっかけとなったのは、今年の春に仕入れた絨毯のなかに数点のヘラティ文様の絨毯が含まれていたからである。このヘラティ文様というのはその名もずばり現在のアフガニスタン西部の古都ヘラートに
因んだ絨毯文様という意味である。

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このヘラティ文様をネットなどで検索してみると『アカンサス(ハアザミ)の葉が様式化され、菱形に組み合わさってできる花文のモティーフは、ペルシャのヘラート(現アフガニスタン)に起源があると考えられてきたことからヘラーティーと呼ばれています。また、この葉の形が魚に似ることによりマーヒー(ペルシア語で魚)と呼ばれることもあり、この絨毯のように小さなヘラーティー・パターンで構成されたデザインは、リーズ・マーヒー(小さな魚)と呼ばれます。』となっていました。ペルシア大全(フランスベット株式会社)の絨毯情報ページより引用
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これはイラン北西部のクルド族の多くすむ地域で絨毯産地として名高いビジャー産の典型的ヘラティ文様です。日本では絨毯業者の間で、鉄の絨毯などと呼ばれているビジャー産の絨毯はその名のとおり大変頑丈に
織られています。上の解説にあったように見方によっては小さな魚に見立てて、マヒー(魚)モチーフとして呼ばれることもあるようです。特にタブリーズ周辺で織られるものにこのマヒー(魚)モチーフとして呼ばれることが多くマヒー柄といえば=タブリーズと思う業者も多いのではないかと思います。
では、このマヒー柄がどうしてアフガニスタンのヘラートに由来するのか長い間の疑問でもありました。
同時にこのモチーフは、バルーチ、クルドなどの部族絨毯のモチーフとしても良く使われます。
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今回見つけた絨毯ですが、バルーチ族の袋の表皮ですがこれはヘラート周辺のyakubu khani支族の
織ったものだそうです。

このほかにもいくつものヘラティ文様の絨毯がありますが、イラン各地の小さな村で織られる絨毯には本当に
たくさんのバリエーションのヘラティ文様が見られます。

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by caffetribe | 2009-05-05 17:21 |