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部族の絨毯と布 caffetribe

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部族の絨毯と布

<   2006年 03月 ( 9 )   > この月の画像一覧

アムダリア川流域からブハラ周辺は、かなり古くからトルクメンやウズベクなどの騎馬民族系遊牧民のテリトリーです。ある意味で似た風貌、言語、文化を持つこの二つ部族ですが、手仕事の嗜好には、面白い違いが見られます。

▲ウズベク系~とにかく華やかな色彩の刺繍(スザニ)や絣(チャパン)を好む。
▲トルクメン系~とにかく赤が好き!衣装など一部は刺繍もあるが、圧倒的に絨毯。
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これはシルコロードのオアシス都市フェルガナ盆地を中心に、養蚕したシルクを先染め(絣)技法で織ったチャパンと呼ばれる民族衣装です。(男性も着ます)
▲絣はインド~中央アジアで生まれたと考えられている技法で、織り機にかける前の糸を、他の糸で括って柄を表現する先染めの織り技法です。インドのサリー用に織られたグジャラートのパトラ(タテヨコ絣)があまりも有名ですが、このウズベク~新疆ウイグル地域のの絣(タテ絣)も大胆で面白い物が多いです
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また、このウズベクの絣の影響をうけたと考えられる、モチーフがトルクメンのベシールと分類される絨毯に時々現れます。
▲まずは例のジョントンプソン氏のオークションで獲得できなかったベシールの(チュワル)
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▲チュワル=ジュワルは、遊牧民が移動やテント内で主に衣類等を収納する大型の袋もの。
特にトルクメン系部族にはこのチュワルに大変素晴らしい物が多い。テッケやサリークなどその支族を代表する家紋のような、力強いギュル(モチーフ)が描かれる。

a0051903_17492548.jpg▲前回紹介したベシール絨毯の部分にも、確かに絣文様に似た、モチーフが織られているしかし、絣には織る前と織り上がりが、染め糸の微妙なかすれずれで文様にゆらぎのような不思議な変化が見られ、それがいい味わいになっているのだが、絨毯にはそのあたりが見られない。

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▲絨毯には絨毯独特の使い込んだとき
に出てくる、羊毛の艶やさらに使い込
んだときに出てくる、色の透明感など
他にない味わいがありそれぞれの
手仕事にそれぞれの面白さがある
ように思う。
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by caffetribe | 2006-03-22 18:01
今日は春分の日、イランではノウルーズを向かえ、新しい年に皆何かを願っている事でしょう。
そういえば日本でも正月からもう3ヶ月も経ってしまっていることに、少し驚きです。
もう桜前線もじわじわと北上を続けているというニュースも聞こえていますね。

そういえば、公園のチューリップはもう満開でした。
前回に紹介したベシールと呼ばれる絨毯の中のサイドボーダーに表現された、可愛らしいチューリップのモチーフです。
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    ▲これもベシールの小さいお祈り用の絨毯です。
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a0051903_12525234.jpg▲このフィールドにも可愛らしいチューリップが表現
されています。ペルシア語でチューリップはラーレ
と言いますがトルクメンでは、チルピィと呼ばれ、言
葉としては我々の知るチューリップにより近いです。
中央アジアに原種があるようで、知人は野生のチュ
ーリップをみた事があるそうです。
右のもシンプルだけどチューリップに見えます。




a0051903_12542026.jpg ▲このトルクメン族の民族衣装は、文様が表現するそのままにチルピィと呼ばれています。袖が付いている服もありますが、これは頭から被るもので、日本でも庄内地方に残る「かつぎ」と呼ばれる被りモノに共通します。両側にある袖のようなものは、飾りで腕を通す事は出来ません。
実際には少し中心からずらして微妙にたれる袖(のような物)をずらすのが、お洒落のようです。
また、このチルピイは地の色が3つのタイプに色分けされていてます。赤及び黒、黄色、白ですが。赤及び黒は一般ですが、黄色は男の子を産んで立派に成人させたお母さんだけ、そして白は63歳?を過ぎた長老のだけが着れると聞いた事があります。おそらく厳しい遊牧生活で60歳を越えると言うのは、おめでたい事であったでしょう。この白いチルピィは一度だけしか見たことがありませんが、実際に着ている人をみたら、神々しく観えるのではないでしょうか・・・。



▲下の生地が見えないほど、びっしりと丁寧な刺繍が施してあります。
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次回こそ絣モチーフで・・・。
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by caffetribe | 2006-03-21 21:00
絨毯や西アジア繋がりのFさんが,数回に亘って紹介していたベシール絨毯は個人的にも最も思い入れのある部族じゅうたんのひとつです。

絨毯屋を始めたばかりの頃、相当に無理をして手に入れたのがこのベシ-ルと呼ばれる絨毯です。
1993年の12月16日にニューヨークのサザビーズで行われた、
「Turkmen & Antique Carpets from the Collction of Dr.&Mrs.Jon Thompson」のオークションで入手したのです。
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このオークションは欧米の絨毯業界ではかなり話題になりました。現役の絨毯学者特にトルクメン絨毯に関しての研究と収集で有名なジョン・トンプソン夫妻のコレクションが売りに出されるということになったからです。
一般的には亡くなるとか、離婚、会社の倒産などの理由でコレクションが手放されるケースはあるようですが、バリバリの現役で81点に及ぶ、かなりのレベルの収集品がオークションに出されるという事自体が、その時には話題になっていたようです。
ちなみに彼のコレクションで最高といわれている、サロール支族のエンシ(テントドア用絨毯)は販売されませんでした・・・。
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▲専門誌でオークションを知ったのですが、早速カタログを取り寄せ購入できそうな、推定価格のもの3点に絞込んで、いざオークションに望みました。欲しい物ばかりでしたが、価格が競り上がらないように祈るばかりでした。ところが期待に反して、というかやはり予想どうりに価格はどれもがうなぎのぼり、来ている絨毯商やコレクターは世界でも有名な人達ばかりです。雰囲気はアカデミー賞の受賞式のよう、タキシード姿に蝶ネクタイといういでたちで、このイベントを楽しいんでいるようでした。

▲最初にピックアップしていたものはみな2倍以上の値段に競り上がり、諦めざるを得ませんでした。オークションに不慣れな者としは、難しい技ですが、最初に出来るだけ安い価格でスタートするというのがコツのようでした。会も中盤に差し掛かり、もう半ば購入を諦めかけていましたが、好きな数字33番の絨毯がこちらに歩み寄ってきてくれました。まさに絨毯のほうからこちらにすっと、飛んでてくれた感じだったように、記憶しています。
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#33.An Ersari Turkmen Rug, Turkmenisutan 158x117cm

カタログの解説によれば:
「19世紀の作品: このラグは楽しげな色彩とこの地域では非常にまれな古いタイプの絨毯の大きさを維持している。これは遊牧民の手によるものではなく;フィールド部分のデザインは絹製のイカット(絣)に直接の起源がある。しかしながら、色彩は典型的なエルサリ氏族のものであり、おそらくはAmu Darya渓谷に定住するエルサリ氏族によって作られたものであろう。」

この絨毯は、不思議と縁が無く今でも手元にありますが、永らく家にいるせいか、愛着がでて嫁に出すはどうしようかと考えています。

▲このエルサリ支族とベシ-ルの関係ですが、このベシ-ルが部族のグループ名を指すのか、地域を指すのかなどの定義づけには、多くの研究者も苦慮しているようで、今後このブログなどでその特徴を少しずつ紹介出来ればと考えています。Fさん一緒にやりましょうよ・・・。

このジョントンプソン氏はワシントンD.C.の織物美術館で出している図録の中でBUKHARA(ブハラ)という地名でこのベシ-ル絨毯を分類しています。また長さ6メートルを越えるビッグサイズの多いベシ-ル絨毯のなかで#33は珍しいサイズのプレ工房モノということも考えられます。

次回この文様に絣文様(チャパン)との関連性を少々・・・。
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by caffetribe | 2006-03-17 15:09 | 部族の絨毯について。
<まとう・つつむ> 一枚の布展をやっと見に行く事が出来ました。
さすがに服飾博物館だけあって、実際に布をいかに纏うかということが解りやすく展示してあり、布本来の美しさと同時に、地域や民族・部族のなかでどのように布が大切に使われてきたのかがよく解る、充実した内容の展示会でした。
文化学園服飾博物館 3月14日まで。

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この日は、謝恩会だったためか、矢絣に袴姿や着物を着込んだ、卒業生達の姿も見られ、華やいだいい雰囲気が会場に漂っていました。
ただし、目立つのは晴れ着の女性ばかりで、同じく卒業を迎えた男性の姿はほとんどかすんででおりました。

そんな中、特に目を惹いたのが、ミャンマーやインドネシアの男達の衣装です。
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この写真の右上の腰巻布(パンソー)ロンジーは知っていましたが、それ以前の時代の男達の華やかな腰巻布は、見事な技法の綴れ織りで、色彩も明るく楽しいモノでした。
右下は、インドネシアスンバ島の絣(イカット)の腰巻布で、正装ではさらに同じような鮮やかで勇壮なモチーフ(龍や馬など)の大判の絣布を肩から巻きつけるようです。

以前にorintlibryさんのブログでも紹介されていた、『男も綺麗、かわいい。』を地で行くような、アジア・アフリカの見事な布の世界を堪能する事が出来ました。
▲もちろんイスラム圏の男達のアジュラク更紗を纏った展示もありました。
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     写真はパキスタンバロチスタン州、カラート村の男達です

▲纏うにたいして包むの展示はこじんまりしていましたが、感動的なものが多かったです。
なかでもお気に入りは、赤ちゃんを包む、お包み系の布(サンジャン)子供の健康を祈り母親が刺したり、織ったりする包み布は、やっぱり心が暖かくなる何かを感じることが出来ました。
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モノクロ写真で見ずらいですが、3点とも赤ちゃんを包み込む布たちです。
一番手前の長細い布(スワッドリング)三角形の細かいパッチワークはまるで蛇の鱗のようでした。
▲この細幅の布を、赤ちゃんの体にきつく巻きつけるのだそうですが、きつく巻く事で赤ちゃんは母体にいた時と同じような、感覚を味わい不安が解消するのだそうです。もちろん布の文様には魔よけ的意味合いの強い▲や尖がったモチーフが多いようです。

この赤ちゃんのための布や揺り籠は、親の愛情とともに部族的な伝統が強く感じられます。
▲やはり、手仕事の原点はここいらにあるのでは・・・。と再認識いたしました。

パキスタンの写真以外は、文化出版『銀花』題144号からの引用です。
これだけの内容なら、図録があれば・・・・。残念。
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by caffetribe | 2006-03-12 18:53
トルコのマルマラ芸術大学で織りと草木染を勉強し、現在はイスタンブールで草木染のじゅうたん工房を運営している日本人女性を紹介いたします。

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彼女は今年の1月にドイツ行われた、世界でも最大級のcarpetイベントDOMOTEX2006にも出展されていました。
ISATISというブランドでの出展は同業者として大変勇気づけられました。

手織り絨毯後進国の日本からの出展は、さぞかしご苦労もあったことでしょうが日本人の感性が世界に向けて発信されれば、という希望を与えてくれたように感じました。

▲昨日、染めたばかりの草木染の毛糸のサンプルが届きました。
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写真では伝わりにくいですが、どれも丁寧に染められたと思える糸です。
絨毯やキリムの染めに関してはその見分け方が大変に難しく、プロでも良く間違う事があります。特に昔に染められたモノは、時間をかけているためかとても美しい色が出ていて、色も落ちにくいです。
▲ちなみにISATISはホソバタイセイという日本語に訳されています。【トップの写真】
<タイセイと同様、藍色の染料とします。葉や根からとられた藍は抗菌性があり解毒、解熱、止血薬として用いられます。他に藍色の染料として有名なインディゴ含有植物にはタデ科のアイ、キツネノマゴ科のリュウキュウアイ、マメ科コマツナギ属のインドキアイやナンバンアイなどがあります。>
世界最古のじゅうたんといわれるパジリク絨毯の透明感ある深いブルーがこのISATISで染められた言われています。

ISATISブランドの草木染手織り絨毯です。
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☆オスマン時代などの伝統的なモチーフを現代に生かしているそうです。
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☆キリム柄のようなデザインは現代日本のモダンなおうちにも似合いそうです。

サンプルの毛糸と共にコメントも届きました。
『草木染めは私にとってトルコに来る一番のきっかけでもあり、染めれば染めるほどいろんな発見がありいつも楽しみながら染めています。
草木染めは水や温度、そして材料などで色が変わり、水道水よりも村で使っている井戸水の方が染め上がりがきれいになります。じゅうたんの糸を染めるにあたって、いつでも同じ色に染め上げられることが重要で、草木染め材料もトルコで採れる良質なものだけを使っています。』

まだまだ、勉強中という彼女ですが今後の活躍に期待したいです。
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by caffetribe | 2006-03-10 20:03
部族じゅうたんやキリムに関しての情報が少ない中、お勧めの本を紹介いたします。

まずは、▲ジェームス・オピエのバイブルともいえる『Tribal rugs』
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これは1992年にLaurence King Publisingから出された部族じゅうたん・キリムに関する名書です。

前半ではTribal rugsの歴史と文化について、後半ではそれぞれの部族の代表的な毛織物が紹介されています。それ以前にもOpie氏は南イランの部族じゅうたんに関する研究書『南イランの部族じゅうたん』1981年を出版していますが、このTribal rugsでは地域をさらに広げ、その集大成ともいえる、文様についての起源学てきな考察をしています。
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上のイラストとルリスターン地方から出土した2800年前の青銅器、その流れを現代に受け継いでいると考えられている、ロリやバクチアリ族の毛織物(サドルバック)などを比較検討し、アニマルヘッドコラム「動物の頭のモチーフ」を東西に広がる部族じゅうたんに見つけ出し、その共通点について語っています。ここでは到底紹介し切れませんが、それぞれの部族の代表的絨毯・キリムの写真もどれも逸品(マスターピース)で、写真だけでも楽しめます。330ページにわたる百科事典のような豪華な内容です。
いずれこの動物の頭がなにを意味するのか、紹介していきたく思っています。

▲ついでJenny Housego 氏の『TRIBAL RUGS』
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これは1991年にScorpion publising limitedから出版されています。上のOpie氏本から比べると、コンパクトですがシャーセバンやクルド、バクチアリなどの袋ものなどの貴重な数々が紹介されています。部族・技法・なども簡潔にまとめられていて、入門書としてはお勧めです。
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ユニークな民族衣装を身に着けたバクチアリ族の移動風景。
▲かれらは雪の残るザクロス山脈を越えてイラク近くまで移動する最も逞しい部族の一つです。
ただし、現在在庫があるかどうかは不明です。1990年代は欧米でこれらのトライバルラグが、最も盛り上がった時期かもしれません。愛好家やコレクターの専門雑誌『HALI 』などもこの頃はページ数も多く、元気のいいディーラー達の斬新な広告や目を見張るようなレアものの紹介も多く最も充実してた時期にあたります。現在はニュープロダクトの広告ばかり目立って、欧米でのこの世界の斜陽が来ているのかという感じを受けています。

▲そして、国内唯一といってもよい、故松島きよえさんの『遊牧の民に魅せられて』
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文化学園服飾博物館の図録です。1997年松島コレクションの展示会の時のものです。
松島さんについてはいずれきっちり紹介させていただきたいと思っていますが、とにかく日本では、この世界の草分けであり強烈な個性と好奇心で、遊牧民の世界に踊りをコミニュケーションに、入り込み豊かなフィールドワークから収集を重ねられた貴重な方でした。
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これはバールチと同じ地域に暮らす、ブーラフィー族のテントの中と、それを独特なタッチで描いた松島さんによるイラストです。このようなフィールドノートも展示された展示会でしたが、研究途中で急死されたため、その後の研究の分類と解析はこれからの課題かもしれません。

もう一冊の『TRIBAL RUGS』 Brian MacDonald著 は次回にします。
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by caffetribe | 2006-03-05 19:20

a0051903_18365055.jpg 部族じゅうたんの中でもひと際の華やかさと、鳥などのモチーフの面白い絨毯がハムセではないでしょうか?個人的にもバルーチ・タイマニ・ロリ・シャーセバン族等、結局全部か?等と共に最も好きな部族の一つです。
しかしハムセというのそのほかの部族とは違う少数氏族の連合体です。
ハムセ 連合 (部族連合)ハムセは、アラビア語で、5という意味。

南部ファールス地方の部族連合。(イラン南部のシラーズから東南に広がる地域です。)
▲アラビア語のアラブ族('Arab)、
▲チュルク語系のバハールルー族(Baharlu) 
▲アイナールー族(Inalu)、
▲ぺルシャ語のバーセリー族(Baseri)
▲チュルクとペルシア語系の混合したナルファル族(Nafar)の5つの民族で構成された、部族連合。


1860年ころカジャール朝の政府に反対するカシュガイ族に対抗するために政治的に組織された連合隊で「ハムセ」には5つ一緒という意味でもあるようです。
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          ハムセ連合 絨毯 19世紀

カシュカイ族の近くに住むために、カシュガイの絨毯と混合されてしまう場合が多いが、可愛らしい鳥のモチーフを連続して配したバードラグや細かいストライプに大胆な幾何学を組み合わせた絨毯などは特徴的である。部族絨毯の研究家ジェームス・オピエ氏の「トライバル・ラグ」でも遊牧系部族絨毯の中でも最高峰の絨毯として紹介されています。
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          ハムセ連合 絨毯 20世紀初め

かつてはパラダイスと言われたエラム文化の存在したこの地域の伝統をそのまま今に残したような楽しげな小鳥の表情や色彩感覚は、絨毯の真の意味である楽園そのものの存在を彷彿させてくれます。

☆ロンドンとスイスで手広く絨毯商を営むディラーの持つテヘラン郊外の巨大なウェアハウスで、2枚見つけましたが、新しいギャッベ絨毯100枚ほどの価格でその時は諦めましたが、状態もデザインも色も素晴らしく、未だに後悔しています。その後、テヘラン~シラーズ~フィルザバードなどずいぶん探しましたがそれらを超えるものに出会っていません。

下の絨毯がその時に逃がした大きな鯛です。
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現在はどこの海を泳いでいるのでしょうか?それとももう捕まってしまったかも、恐らく・・・。
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by caffetribe | 2006-03-04 18:52 | 部族の絨毯について。
現在銀座の小さな画廊でイラン人の描いた絵本展が行われています。

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★モルデザー・ザーへディ展 3月の5日(日)までです。t-box ギャラリーにて
この絵は『ゴキブリねえさんどこいくの』という絵本の中の一場面のようですが、なかなかです。

この展示会の企画および絵本の翻訳は外語大の大学院を卒業したIさんです。

数年まえに知り合いましたが、そのころはカシュガイ族のじゅうたんなどに興味をもたれていて映画にもなった『ギャッベ』を紹介してもらいました。しばらくのイラン滞在後、イラン人作家による様々な絵本の紹介をされています。紹介している絵本には彼女の訳も付いています。

初めて展示をされた時に伺い、2冊の絵本を頂きましたがとても気に入っています。
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『花壇の中に、お嫁さんとお婿さんが生えていた』
というシュールなタイトルですが、絵がポップでセンス溢れる表現です。

そしてとても気に入っているのが、今回展示しているモルデザー・ザへーディ絵の
       『小さいアリーとその仲間達』
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これはイランらしい作品で、とにかく絵の色が美しい!!!
バクチアリ族やカシュガイ族のキリムを見ているよう(どうしてこう絨毯の話になってしまうのか・・・)

もうなくなられてしまったようですが、詩人であり児童文学者であったスィールース・ターフバーズ氏の文章もいいですよ。

小さなアリーが花や小鳥達とお話をする。寂しい時もおんどり、小鳥にうさぎ、花に木に太陽が遊び相手になってくれる。これを読んでいて、動物と話のできるドリトル先生の話を思い出しました。小さい頃大好きでした。

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このパラダイスの世界に是非足をお運びください。

詳しくはこのサイトで。
このブログからもリンクしています。
会場:中央区銀座8-11-13山田ビル3階 03-3573-5200

イランの楽園といわれたエラム文化をそのままに表したようなハムセの絨毯
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またもや絨毯か?(反省)
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by caffetribe | 2006-03-02 17:15
バルーチ・バローチ・バルーチュなどと地域によって呼び方は変わるものの現在でも移動という形態をとる数少ない部族がBaluchです。とらえどころの無い、神秘性がその魅力の一つでしょうか?

▲裁判官の娘の絨毯の話も、様々なバリエーションがあるようで以前にクエッタの絨毯商から聞いた話では・・・。
『監禁された裁判官の娘は、絨毯を織るのがとても上手で、籠もった部屋で淡々と絨毯を織って居りました。織り上げられた絨毯は町のバザールに売りに出されておったそうです。偶然にもバールリ族の彼氏がその絨毯を見つけます。一目見てその絨毯は、愛する彼女が織ったものだということを直感します。そしてその絨毯の中に彼女の居場所が、暗号のように織り込まれていることを解読するのです。地図のようなその文様により、監禁された娘の居場所を発見し、闇夜に助けだし、遠くの町まで逃げて、二人で仲良く暮らしたのです・・・。愛でたし愛でたし。』
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バルーチ族絨毯 19世紀 ホラサーン地方 トルバテ・ジャム周辺

この話を聞いて、うんこれは凄いと思いました。じゅうたんの文様には様々な気持ちが織り込まれていると思います。文字を知らなくともそこには気持ちを表現出来る場所なのです。彼の思いと彼女の思いが一つになった時そのじゅうたんは時空を越えた存在となりえるのです。

絨毯やキリムの文様は、伝統的な生活の中で伝えられていく物語や儀礼などに等しい【歴史=記憶】そのものです。

バルーチ族の好きな文様    
     <八角星>a0051903_165140.jpg
砂漠の大地に広がる満点の星空。現地語のセターラ・シタラは英語のスターの語源。
ユダヤ教、カバラの6角星。大陸から平安に伝わった陰陽道の呪術的意味をもつ5角星。
天に対する憬れや畏れと信仰。アナトリア(トルコ)では、豊饒や幸福を意味するようです。





現在ではバルーチ族はペルシア語系の言葉を話しているが、クルド語に最も近いようです。
バルーチという言葉はクルド語でも鶏のとさかという意味もあるようで、代表的な絨毯にも鶏冠のあるニワトリが描かれています。昔戦いの時に、この鶏冠のような兜を被っていたことがこの由来となっているようだが、確かではないのですが・・・。
ただこの鶏冠のあるニワトリの文様はバルーチのシンボルのように凛々しく描かれています。
               <鶏冠のあるニワトリ>
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バルーチ族 サドルバック 部分 パイル
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by caffetribe | 2006-03-02 16:29 | 部族の絨毯について。