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部族の絨毯と布 caffetribe

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部族の絨毯と布

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重々しい木の扉を開けて中に入ってみると、そこは白い壁とシンプルな十字だけのある静寂の空間でした。
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白い漆喰の壁から十字の形の光が差し込む見事な演出は、訪れる人を宗教的な気持ちに誘い込む不思議な世界です。後でこの写真をヨーロッパの美術に詳しい知人に見せたところ、かの有名なコルビジェなどもこの演出をうまく取り入れているのではないかという事でした。

●この壁の外側はこのようになっています。
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ピンク・紫・ベージュ・アイボリーなどなど、モザイクのような天然岩の壁には、様々な造形の十字が刻まれています。
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この大理石に刻まれた十字架のレリーフがどれも見事で、これまでに見た事ないようなバランスの取れた造形を持つもので、キリスト教徒でなくとも思わず十字をきりたくなるような雰囲気でした。
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このモチーフなどは、ケルトの神話に出てきそうな美しいフォルムでここがイランであるということは完全に忘れてしまうほど、時間が2000年前にタイムスリップしてしまうかのような、時空を越えた世界でした。
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この大理石のレリーフの下半分には、おそらくアルメニア語で書かれたと思われる碑文が刻まれていました。
そんな美しい大理石のレリーフがごろごろと無造作に転がっていて、思わず持ち帰ってしまいたくなる(いけません!)衝動にかられました。
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by caffetribe | 2006-04-28 15:08 | 出会いの旅
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イランのタブリーズの絨毯商と4年ぶりに再会して、商談を終えたあと彼に午後はどこかに行く予定があるかと尋ねられ、それほどの用事がなかったので誘われるままに出かけたのが、この教会でした。
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最初に出会ったときに、彼と彼の友人達とキャンドバーンという岩の中の洞窟に人が住んでいる観光地に出かけたことがあり、それを覚えていた彼が今回もまた、誘ってくれたのでした。
最初はガイドブックにも載っている、マクーの近くのガラ・ケリーサ(黒い教会)へ行くのかと思っていました。行く手はトルコ方面からアゼルバイジャンへ方面へ変り、かつてのアルメニア人の町ジョルファへと向かっていました。
イランとアゼルバイジャン(ナフチェバン)との国境を流れるアラス川に出たところで川沿いにアララト山方面に向かいしばらくターコイズ色のアラス川と7色の違う色の岩山を見ながら進みました。
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1時間も走った頃でしょうか、突然車を止めるとそこからは歩いて石ころの多い坂道を登りました。先ほど来た道の岩山にあった様々な色の岩をうまくはめ込んだ、美しい教会の建物が見えてきました。
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この入り口の門はどこかで見覚えがあるぞ、イスファハンやマシャドのモスクで見たことのあるモスクの入り口のタイル飾りではないか?どうして教会にモスクの装飾が・・・。これをムカルナスというらしいです。
聞けば2000年近く前の建物とか?でもキリスト教が生まれてから2000年でしょう。イラン人はやはり大げさだな~と思いつつも中に足を踏み入れると、そこは静寂の世界でした。
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by caffetribe | 2006-04-27 18:07 | 出会いの旅
2回ほど続けて紹介したイラク南部の刺繍布を、実際に作っている人々に興味は深まり是非とも会いたいと考えているところへ、orientlibryさまから貴重な情報がとどきました。

チグリスとユーフラテスの交わる沼地にすむMarshArabsという人々は約5000年もまえからこの地域に住んでおり、シュメルとバビロニアの流れを汲んでいる。1970年代までは約350000~500000人も住んでいたらしい。
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photo by Edward L O.

季節による川の推量の増減で土地が姿を変えるという、泥に覆われた地域で5月~6月には最高の水位、8.9月~10月には最低の水位となり、雨季の12月には突然の洪水に見舞われたり、遠い水源のアララト山などからの雪解け水によっては、大洪水になることも・・・。
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photo by Edward L O.

それは、冬の寒気を帯びた湿気と春の砂嵐、真夏の想像を絶する暑さと乾きのなかで生活する事でもある。また、湿地特有な蚊や吸血寄生虫の発生や毒蛇なども多いようだ。
どうしてこのような生活環境の中で、5000年も暮らしてこられたのか・・・。
それは同時に外部の者の進入を防いできたのかもしれないが・・・?

人間が住むのには極めて厳しくとも、湿原を好む渡り鳥やコイなどの魚などにとっては楽園のようで多くの野生動物にとってはこの地域は重要な役割を果たしてきたようだ、現にMarsh Arabsの人たちは1970年にはイラク全土の魚業の3分の2のを担っていたという報告もあった
ところがその後のサダムフセイン政権とイランvsイラク戦争~湾岸戦争によりこの地域の生態系が大きく変わるほどの被害を受けたらしい。湿地帯の面積は20分の1になってしまったという報告もあり、多くのMarshArabsの人々が難民になり居住地域を奪われたようだ。
しかし、このところすこしずつ回復しているという報告も入っている。皮肉な事にイラク戦争でサダムフセイン政権が崩壊した事が幸いしたようだ。しかし今の状況では落ち着いた現地調査もなかなか難しいようである。

こんな美しい刺繍をする人々の住む地域が、今後も残って欲しいと願うばかりである。
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by caffetribe | 2006-04-24 18:23 | 部族の絨毯について。
今回の展示で多くのことを学びました。
展示する前は、イラクの刺繍であるということしかわからず数少ない資料から、クルド族のものではないか?いやイラクの南部(サマーワ)周辺のものではないか?という程度しか理解していませんでした。
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展示を始める3日ほど前に偶然にインターネットでEdward L.Ochsenschlgerというニューヨークのブルックリン大学の民族考古学者の記事を見つけました。彼の著書『Irag`s Marsh Arabs in the Garden of Eden』にはこのイラク刺繍をする女性が表紙になっていて、この沼地に生活するアラブ系部族による刺繍ということが解ったのです。この本はまだ取り寄せていませんが、Edward L.Ochsenschlger氏が1968年から1990年にかけて、調査を繰り返しこの地域が人類の歴史上最古の文明を持つシュメール人と関わりが深く、1970年代まで、5000年まえとほぼ同じような生活を続けてきた『Marsh Arbs』=泥地に住むアラブ人という独特な生活環境に適応した人々『部族』の存在を明らかにしているのです。

●沼地の多様な生態系のため、水鳥や魚など砂漠の遊牧民とは違う文様が見られる。
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●イスラムの以前、メソポタミア文明の影響設けている?人物などのモチーフ
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●動物などのモチーフもデフォルメされて、アート性が高い。
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また刺繍という技法なので、曲線などが自由に表現できるのでユニークなモチーフが多く一枚一枚のなかに、非常に多くのメッセージがこめられているように感じました。
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裏面を見るのもすごく面白く、すっかりこの刺繍布にハマってしまいました。
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早速シュメールについての資料も購入し、今後ゆっくりと時間をかけてこの世界を辿って生きたいと思っています。
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by caffetribe | 2006-04-21 17:38 | テキスタイルテキスト
この刺繍に最初にであったのは、20年ほど前に渋谷の松涛美術館で行われた故松島きよえさんの『中近東の染織展』でした。圧倒的な存在感に魅了されそれから2年に一枚ほどのペースで集めた11点を紹介いたします。
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詳しくは追って紹介していきたく思っています。
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花・動物・人などの愛にあふれた心和む刺繍の世界です。
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チグリスとユーフラテス川に挟まれた、肥沃な泥地に住む部族の豊かな感性が伝わるといいのですが・・・。

4月14日~19日まで。詳しくリンクのインフォメーションをご覧下さい。
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by caffetribe | 2006-04-13 20:43 | 展示会あれこれ
大阪での絨毯研究会そして梅田での展示会そのあと、カンボジア人の来客などで、すっかりご無沙汰してしまったブログですが、今回の出張では、疲れることも多かったけど友人にあったり面白い出来事もありました。

まず神戸のまちで訪れたイスラム寺院とジャイナ教の寺院。その前に三宮駅近くで見つけた妖しげなクラブから。
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アラビアンロックというなんともいいネーミングのクラブ?ディスコ?飲み屋?昼間だったのでもちろん閉まっていましたが、外見はなかなかいけていました。

それにしてもアラビアンとロックはどのようにコラボレーションするのでしょか?
外観はすべてタイル張りの懲りよう、中に入れなかったのが実に心残り・・・。
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メダリオン文様の装飾的な扉も実にいい感じでした。
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外観も本格的なタイル張りでした。
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この魔法のランプの置かれた入り口には、
【おおこれは客人。アラビアンナイトの世界へようこそ!道中さぞかし大変であったであろう、存分にくつろがれるが良い。ささ、まずあの有名な呪文を大声で唱え、それからこのランプをさわるのじゃ、夢の世界が現れますぞ・・・。なんと呪文がわからない?呪文といえば『ひらけゴマ』にきまっておる、さあ大声で唱えなされ!宝物をまえにしてあきらめることのないようにな・・・・ホッホッホッホッ】 
早速ランプをなでてみたものの、真昼では扉は開きませんでした。残念・・・。
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by caffetribe | 2006-04-11 19:04