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部族の絨毯と布 caffetribe

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部族の絨毯と布

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昨年十月からイラン南東部のパキスタンとの国境地帯で武装集団に誘拐されていた横浜国立大学生:中村聡志さんが14日にパキスタンで解放された。
喉につかえた棘のように心のどこかに引っかかっていた事件だっただけに、本当に嬉しいニュースであった。
バルーチ/バローチ語を習得され、この地域の民族と民俗を愛するW大学のM先生からも、気持ちの篭ったメッセージが届いていた。
このメッセージを読んで、2001年に一緒に辿った、パキスタンのバローチスタンへの旅を、思い起こさずにはいられなかった。
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厳しい環境や言葉も通じないなか、半年以上も頑張られた中村さんとご家族の皆さんには、に心から『良かったですね!』と言いたいです。

バルーチ族の古くから伝わる、生活習慣に詳しい、M先生も『もし彼らがバルーチ部族慣習法を守る旧態的なバルーチ族であれば、人質の命は絶対無事であると確信していた。形は違うが「客人」としてしまった人の命と財産は、命をかけて守らなければならないと定めたバルーチ的慣習法マヤール(mayar)/ リワージ(riwaj)がある。』
これについては、会うたびにこの話題になり、彼の無事を信じ、また願いを込めて語りあった。

バルーチと言えば、暗闇に光るようなシックで煌きのある絨毯を織る人々である。
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またM先生の専門である芸能についても類まれなる才能を持つ人々でもある。
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彼らの伝統が守られ、アジアに興味を持ち困難な地域を知りたいと言う気持ちを持って行動した勇敢な若者が無事に帰ってきたことは、なによりも嬉しいニュースであった。
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by caffetribe | 2008-06-22 18:22
文様の起源を石器時代までさかのぼり、認知考古学的な角度から人がどうして文様という痕跡を刻んできたのかを考察してみたが、では実際の生活に文様はどんな意味を持ち、また現在に至ったのかを考えてみたい。
ここに奇妙なデザインの絨毯とそれに奇妙に似た青銅(ブロンズ)の道具(呪具)がある。
左:イラン西部ザクロス山脈ルリスターン地域出土女性像、BC7~9世紀。
右:1915年に織られたルル族のバックの表皮(パイル=絨毯)。
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ルル族絨毯の全体。
この不思議なデザインが何を意味するのか?
見れば見るほどこれって何?と考えてしまう。
明らかに鳥と見える形が頭の上についている。これを見て真っ先に思ったのはソッテという朝鮮半島に存在する、柱であった。このソッテは日本の神社鳥居と同様に境界や結界などを表すモノらしい。シャーマニスティックな存在である。

もともとこの地域にあった土着的信仰のなかにシャーマニズム的なものがあったことは、想像できる。
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ルリスターン青銅器BC5~7世紀。動物の頭のついた呪具?
この道具が何に使われたていたのかは、伺い知るしかないのだが杖などの用の道具としてはどう見ても使いづらそうである。なにかの信仰の対象として見たほうが自然な気がする。
個人的には、この動物や鳥の頭は動物としの人が持っていた予知や予感などの第六感的なもの、言い換えれば直感のようなものを、信仰の対象として大切にしてきたのではないかと思えるのである。

これについては、はあくまでも個人的な思い込みかも知れないのですが・・・。
今後も追及して行きたいテーマです。

参考文献 「The Animal Head Design In Lori/Bakhtiyari Weavings」 
       James Opie 著 Hali 別冊 SOUTH PERSIAN TRIBAL WEAVING
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by caffetribe | 2008-06-04 19:48 | 文様から観えること