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部族の絨毯と布 caffetribe

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部族の絨毯と布

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2009年4月18日バローチ文化年最初の展示企画中に第一回目のお話会が行われました。
紹介者はもちろんW大学のM先生です。
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M先生の日ごろの努力か行いの良さか、集まって頂いた方々の多くは若々しく、個性的な方ばかりでした。
皆さん熱心に先生のお話と貴重な映像に見入っておられました。
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=「M先生所有の絵葉書から」=
この日もバローチ族の個性あふれる映像と貴重な音源が紹介され、バローチ文化年にふさわしい?バローチワールドが展開されました。お下げ髪の似合う愛らしくも、野蛮な男たちの世界です。
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今回の音源は、古いカセットテープをデジタル化した古くも未公開な演奏もありあっという間の2時間でした。
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上の楽器はバローチ族の大好きなサローズという弦楽器です。哀愁を帯びた音色です。
注目はビーズやスパンコール?色つき画鋲などでデコレーションされた楽器です。ネック部分にはキリムのような毛織物の飾りもついていました。写真に撮り忘れ今でも悔やんでいるのは、この楽器が入っていた緑色の素敵な袋です。たくさんの房飾りや刺繍などが施された装飾にあふれたグッズでした。
最近はブームが去りつつあるようですが、デコ・デコな携帯や古くはトラックなど日本でも好きな方はいる世界です。
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パキスタンでは今でも現役です。

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会場にはこんな感じのバローチ刺繍の民族衣装を着た方もこられ、皆さんの感心を集めていました。

写真は2001年9月11日~M先生とともに旅したクエッタ~カラート~ニチャラ村の風景です。
9.11以降大きな変化のあったアフガン~パキスタンですがここに暮らす彼らにも多少の変化があったのしょうか?
何も変わらずに以前と同じような生活が続いていることを願っています。
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by caffetribe | 2009-04-22 00:03 | 出会いの旅
前回まで紹介したアナトリアのキリムと対極にある遊牧系部族の手仕事がバローチ(バルーチ)族の毛織物だろう。
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このシックな色彩がバローチの特徴である。バローチファンにとってはこれがたまらなくいいのである。
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これもまた渋い。厳しい気候ゆえに、染料となる植物に恵まれないのか?
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   あるバローチ好きの研究者によれば、暗い色が外の厳しい日差しから目を守るとか・・・。
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    あるバローチコレクターは「暗闇に光る宝石」と称えている。
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   こちらはある日本人バローチ愛好家のコレクションである。なんとアイルランドから来たらしい。

    明日17日より小田急線の新百合ヶ丘南口マプレ2階ギャラリー さわ田にて。
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  18日午後2:00~バローチといえばこの人w大学のm先生による映像とお話の会あります。
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by caffetribe | 2009-04-16 23:16 | 展示会あれこれ
今回も前回に引き続いて色彩の宝庫、アナトリアキリムの紹介です。
ここで紹介するキリムの多くはアナトリア地域の東西を移動しながら生活してきたユリュックと呼ばれる
遊牧系の部族達によって織られたものです。この遊牧民達のキリムの特徴は大きなサイズ(テント内の敷物用)は細長く織られた2枚の織物を繋いで幅の広い敷物にする場合が良く見られます。
これは遊牧民達が幅広のキリムを織るのに必要な据付式の縦型の機織の持ち運びが大変なので、移動し易い水平式の織り機を使うためと考えられています。
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上の写真3枚とも中央アナトリアを代表するキリムですが、2枚別々に織られたモノを後で繋いでいることがわかります。

それに比較して最初に紹介した、オスマントルコの宮廷用に織られたキリムはおそらく幅広据付式による織り機でそうとうに熟練した職工のようなの技術者によって織られたのかもしれません。
遊牧民のキリムを織るのがほぼ女性なのに対して、職人的な技術者は男性が多いというのもひとつの特徴でしょうか?
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17世紀のものと言われている宮廷時代のキリム、綴れ織りのヨコ糸はだいぶ破損していますが、残っている部分の色彩や織りは素晴らしく、当時の技術とセンスがいかに素晴らしかったのか、想像をかきたてられます。

もうひとつ例外的に繋ぎ合わせることの少ないキリムとして、モスクなどのイスラム寺院のなかに敷かれる礼拝用のキリムがあります。

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バルーチなどの部族絨毯やコーカサス地方の絨毯、エルズルムやアイドゥン、そしてトルコ東部のミラスなどに見られる一人用の祈祷用のものとは違い、横長で、何人もが同時にお祈りできるような便利なサイズのもの。
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このタイプを一般にSafKilim と呼んでいますが、最近ではめったにお目にかかれない見事なものがVakiflar Museumのアーチ型の壁に何枚も掛けられていました。
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このデザインのSaf Kilim はとても有名でスイス人のVORZコレクションの逸品がオークションで凄い価格で取引されていたのを記憶していました。
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このSaf Kilimも繋ぐのではなく一枚ものとして織られることが多いようです。

現存する絨毯のなかで最高穂と評価されている、16~18世紀のキリムや、最高の絨毯郡と評価されている
13~16世紀の絨毯はいずれもコンヤなどのアナトリア中部のモスクから発見されているものです。
日本でも注目に値する多くの布や宝物が奈良や京都の寺院から見つかるのと共通点を感じますが、敷物として過酷な使われ方をする、絨毯やキリムが朽ちて行くのは仕方のないことです。

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いつの日か日本でもこのような絨毯やキリムを見る機会が来ることを願っています。
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by caffetribe | 2009-04-15 00:22 | 部族の絨毯について。
前回でご紹介した、素晴らしいキリムに勝るとも劣らないコレクションが、イスタンブールのThe VAKIFLAR
Museumに展示されていた。
3枚のオスマン朝の宮廷用に織られたものを含む54点のキリムは、どれもが圧倒的な存在感に満ちていた。アナトリア東部~中部~西部の各地から集められた、どれもがアナトリアキリムの最高傑作と思われるのもばかりでした。
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まずはオスマン朝の宮殿用に織られたといわれている17世紀の綴れ織りの最高傑作。
言葉を失うほどの美しさでした。ことにフィールドをおおう豊かな赤の色彩には魅せられました。
ICOCにはキリムの色彩に魅せられた世界的な草木染研究者であるハロルド・べーマー氏も
参加されていて、アナトリア遊牧民の天然染料による染色やユリュック(アナトリアの遊牧民)についての貴重な研究発表も行われました。

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そしてこれもオスマン朝を代表するカーネーション?をモチーフとした連続花文様の綴れ織り(キリム)。
オスマン朝は、トルコ=チュルク(トルクメン)に代表されるチューリップ(チイルピィ)モチーフも有名ですが
この少しギザギザした花弁を持つ花文様も大変に好まれたようです。

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そしてアナトリア地方を代表する美しい色彩のキリムが洞窟のような古くて味のある建造物の中に
所狭しと飾られていました。
今回のICOCのメインゲストであり、数あるレクチャーのなかでも最も人気が高かったのがBomer氏による
『アナトリアにおけるらくだを使用して移動する最後の遊牧民』というレクチャーでした。
会場のスイスホテルのGeneva Roomは超満員で多くの立ち見による聴衆でごった返していました。
上のキリム達もまさしくアナトリア半島を移動しながら生活していた遊牧民たちの手によるものです。
そして、すべて自然界にある様々な素材から生み出された色彩の世界はBomer氏のみならず多くの人々を魅了し続けています。

草木染について。
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by caffetribe | 2009-04-12 23:03 | 部族の絨毯について。

ちょうど2年ほど前、2007年4月イスタンブールでICOCという国際絨毯会議が行われた。
会場はボスポラス海峡を望む、見晴らしのよい5★ホテル?スイスホテルボスポラスでした。
ホテル内のレセプションルームと地下のディーラーズフェアの会場の前には。
ここぞとばかりに素晴らしいオリジナルのアンティークキリムが展示されていました。
そのどれもが目映いほどの存在感を放つものばかりでした。

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アナトリア中部コンヤ周辺のユリュックによるキリム

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これはどこのものでしょうか?シヴァスあたりでしょうか?

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こちらもすごい存在感でした。たしかアイドゥンだったかな?
もしご存知のかたがいらしたらお教えください。よろしくお願いします。
ICOCの図録によると18世紀のもので、アナトリア中央部、Omer Bozdog コレクションとありました。

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個人的にはこれがとても気に入りました。ワイルドで土着的でありながら。洗練された品位があるこのあたりが遊牧民の手仕事の素晴らしさでしょうか?これはシブリヒサール周辺とありました。
このICOCには世界中から絨毯・キリム・布好きが集まっていてそれは、それは楽しい集いでした。

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こちらは皆さんもよくご存知ではないでしょうか?一般にシャルキョイと呼ばれています。
ICOCのメインイベントは世界各地の研究者によるレクチャーなのですが、この時もこのタイプのキリムについてのレクチャーがありました。ユーゴスラビアのベオグラード美術館の学芸員の発表でしたが、この薄くて糸の細い布のような繊細なキリムは『Pirot』と呼ばれる東欧圏で織られたものだそうです。
オスマン時代のトルコが膨大な地域を領土としていたころ、現在のセルビアやユーゴスラビア地域で織られた繊細で質の高い綴れ織りの毛織物を『Pirot』と呼び古くから珍重されていたようです。
レセプションのティータイムで偶然に同席した、東欧美人のMilena Vitkovic Zikicさんというベオグラードの美術館のキュレイターから『このタイプは東欧圏で織られたモノなのよ。』と直接聞くことができました。
ちなみに彼女は『Artistic Embroidery in Serbia』や『Les Kilims de Pirot』などの本を出版されていました。
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そのあたりを確かめようと、有名ディーラーの集まる販売ブースで、元気よさそうなトルコ人の若いスタッフに尋ねると、これは間違いなくトルコのものだ!と言い切っておられました。

何はともあれ、色々な意味でためになる集まりでした。
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by caffetribe | 2009-04-09 00:32 | 部族の絨毯について。
今年で4回目の船橋市のぎゃらりぃ風趣の展示会も好評の終えることができました。
バルーチ・トルクメン・シャーセバンなど部族絨毯好きの方々との出会いもあり、2週間があっという間でした。
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今回はアフリカクバ王国の布と部族の毛織物という地域環境のまったく異なる個性の布対決という様相を呈していただけに、どうなることか?という不安のありましたが、そこは共通する部族的感覚が相乗効果?を生み更なるパワーアップ効果でした。

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中央はアフガニスタンの塩入れ袋の上に、イラン北東部(ホラサーン地方)カラート(アフシャール族)の塩入れ袋です。右側はご存知クバ王国,ショワ族のいわゆる草ビロードです。
遠くから、お越しいただきありがとうございました。

次回は小田急線の新百合ヶ丘のギャラリーさわ田にてバローチ族に絞り込んだ展示会を行う予定です。
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2月にホラサーン地方で仕入れたバルーチの古いキリムやラグ、袋物やっと届きました。
バローチ文化研究の第一人者のW 大学のM先生との共同企画、『バローチ文化年』の
第一回目です。

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バローチ絨毯・・・。


広げれば砂漠に春の宴。


灼熱の日差しの影(サーヤ)。


そこもまた楽園に・・・。
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by caffetribe | 2009-04-02 19:40 | 展示会あれこれ