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部族の絨毯と布 caffetribe

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部族の絨毯と布

3冊のTribal rugs と部族の毛織物の本

部族じゅうたんやキリムに関しての情報が少ない中、お勧めの本を紹介いたします。

まずは、▲ジェームス・オピエのバイブルともいえる『Tribal rugs』
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これは1992年にLaurence King Publisingから出された部族じゅうたん・キリムに関する名書です。

前半ではTribal rugsの歴史と文化について、後半ではそれぞれの部族の代表的な毛織物が紹介されています。それ以前にもOpie氏は南イランの部族じゅうたんに関する研究書『南イランの部族じゅうたん』1981年を出版していますが、このTribal rugsでは地域をさらに広げ、その集大成ともいえる、文様についての起源学てきな考察をしています。
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上のイラストとルリスターン地方から出土した2800年前の青銅器、その流れを現代に受け継いでいると考えられている、ロリやバクチアリ族の毛織物(サドルバック)などを比較検討し、アニマルヘッドコラム「動物の頭のモチーフ」を東西に広がる部族じゅうたんに見つけ出し、その共通点について語っています。ここでは到底紹介し切れませんが、それぞれの部族の代表的絨毯・キリムの写真もどれも逸品(マスターピース)で、写真だけでも楽しめます。330ページにわたる百科事典のような豪華な内容です。
いずれこの動物の頭がなにを意味するのか、紹介していきたく思っています。

▲ついでJenny Housego 氏の『TRIBAL RUGS』
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これは1991年にScorpion publising limitedから出版されています。上のOpie氏本から比べると、コンパクトですがシャーセバンやクルド、バクチアリなどの袋ものなどの貴重な数々が紹介されています。部族・技法・なども簡潔にまとめられていて、入門書としてはお勧めです。
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ユニークな民族衣装を身に着けたバクチアリ族の移動風景。
▲かれらは雪の残るザクロス山脈を越えてイラク近くまで移動する最も逞しい部族の一つです。
ただし、現在在庫があるかどうかは不明です。1990年代は欧米でこれらのトライバルラグが、最も盛り上がった時期かもしれません。愛好家やコレクターの専門雑誌『HALI 』などもこの頃はページ数も多く、元気のいいディーラー達の斬新な広告や目を見張るようなレアものの紹介も多く最も充実してた時期にあたります。現在はニュープロダクトの広告ばかり目立って、欧米でのこの世界の斜陽が来ているのかという感じを受けています。

▲そして、国内唯一といってもよい、故松島きよえさんの『遊牧の民に魅せられて』
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文化学園服飾博物館の図録です。1997年松島コレクションの展示会の時のものです。
松島さんについてはいずれきっちり紹介させていただきたいと思っていますが、とにかく日本では、この世界の草分けであり強烈な個性と好奇心で、遊牧民の世界に踊りをコミニュケーションに、入り込み豊かなフィールドワークから収集を重ねられた貴重な方でした。
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これはバールチと同じ地域に暮らす、ブーラフィー族のテントの中と、それを独特なタッチで描いた松島さんによるイラストです。このようなフィールドノートも展示された展示会でしたが、研究途中で急死されたため、その後の研究の分類と解析はこれからの課題かもしれません。

もう一冊の『TRIBAL RUGS』 Brian MacDonald著 は次回にします。
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by caffetribe | 2006-03-05 19:20