キリム=綴れ織の技法2
「キリムのある素敵な暮らし」主婦の友社プラスワンリビング別冊にあるキリム事典によれば、
「キリムとはトルコ語で『平織り(つづれ織り)の技法で織られた、羊、山羊、ラクダなどの毛の織物』とあります。こうしてみるとキリムは織りの技法名ということも出来る、ちなみにパイル構造=絨毯とは違う平織りのグループに、ジジム・スマック・ジリ・ブロケードなどの様々な技法があり、これらをキリムと呼べるかどうかは難しいところだ。厳密にはつづれ織だけをキリムと呼ぶという人もあれば、これら多くの平織りをキリムと呼んでもかまわないという人もある。
また、地域によっても呼び方は違う。イランではギリムもしくはゲリムこれはテヘランと地方(訛り)によって違うようだ。
アフガニスタンでもはゲリムとかケリムとかに聞こえる。
カスピ海の東西地域の西側コーカサス地方と東側のトルクメン地域ではパラス(特に大型サイズのもの)と呼ばれているし、北アフリカではハンベルと呼ばれることもあるようだ。
語源については良くわかってはいないようだが、古いトルコ語に詳しいH氏によるとトルコ語のルーツにキリムという語源は見つからず、イランやアフガンのなまったような(ギ)もしくはゲリムという言葉が、前回紹介したシュメール語の伝統を引き継ぐといわれるマーシュアラブ(沼地のアラブ人)達の使う(葦を巻く)という行為ギリームに近いのかも知れない。
はつりのない綴れ織り(横糸が絡まない)
これも綴れ織りの技法ですが、横糸間のはつりが出ないように、同一の縦糸に糸を掛けるという
技法です。これによってはつり(穴?)がなくなり強度が出るようです。
イラン系の遊牧民にこの技法が多く見られます。
しっかり撚られた丈夫な糸でこれを行うと少し重ねた部分が少し盛り上がった感じがします。
インターロック(横糸を絡める)これも前の綴れと同じようですが、横糸どうしを絡める点が違います。前の技法よりさらに強度は
強くなります.重なる場所違う色糸の場合少しすっきりしない感じはありますが,使い込んで馴染ん
でくるとやはりその部分から裂けたり穴が広がったりしないので安心感があります。
やはり南イランなどの移動距離が長く砂漠などの環境に厳しい地域の部族に多く見られます。
シングルインターロック上の技法で一段の横糸に一段の横糸を絡める技法。
ダブルインターロック 同様の技法で二段づつの上下の段を絡める方法。
さらに強度がでて丈夫なものになります.アフガニスタンのウズベクキリムや移動距離の
長いことで知られるイランのバクチアリ族などにもよくこの技法がみられます。
シングルインターロック(ヨコ糸を絡める)