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部族の絨毯と布 caffetribe

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部族の絨毯と布

部族の分類ー1

今さら、どうしたしたのと思われるかもしれないが、原点に戻りキリムや
絨毯を織ってきた部族の違いをもう一度整理してみようかと思う。

 どのように分類すればよいか、いつも迷うのだが一番解りやすいのは
地域別。西の方から東の方に向かって見てみよう。

さて、ここで困ったのは、遊牧系の部族は常に移動を繰り返してきたということだ。であるから,ある時代には、西方に位置していてもいきなり東方に移動を続け、いつしかかなり東方に位置してしまうバルーチ~バローチ族とか・・・?

中央アジアから東方にいたのに、西方へ大移動し、そこに歴史的なチュルク系王朝を打ち立ててしまうとか?地域的分類など意味の無いのが遊牧民の本質といえるのかもしれない。

学術的には、その部族の母語となる言語を基に、トルコ語系とかペルシア語(クルド語系)とかアラビア語系などを基礎に分類する方法も有るようだ。

しかしここでは、独断と偏見で好きな部族から順番に紹介して行こうと思う。

1.何といってもタイマニ族!
部族の分類ー1_a0051903_1615275.jpg

       
有る方がこのタイマニ族を「融通無碍」と評価していらしたが、まさにそのとおり。
まったくとらえどころが無く、自由気まま、神出鬼没、天真爛漫・・・・。
ともかくいい加減なゆる~い感じがたまらなくツボにはまる。

 
部族の分類ー1_a0051903_1664019.jpg
 

この絨毯は2枚別々に織られたものを後でくっつけて幅広の敷物にしたと思われる。ところが右半分の織り始めの部分がとても不思議。 
見るからに下手な織り技術、そして模様もチャランポラン。
まるで幼稚園児が入学したばかりで書いた絵のよう。それに対して左側はこアンテナ付モニターのよな不可思議なモチーフがかなりキッチリト揃っている。

 最近の幼稚園では子供の絵を展示するとき、入園したばかりと一年後に描いた絵を上下に並べて、「こんなに上手に描けるようになりましたあ~。」というような見せ方をしてくれる。

これは個人的な想像に過ぎないが、この絨毯には織り手の成長が見て取れる。

不揃いだったモチーフがすこしづつ形を成していき、完成形に近づいていく
試行錯誤を繰り返しながら、次第に完成されたモチーフが出来てゆく。
それが一枚に絨毯から見て取れる。

部族の分類ー1_a0051903_11213156.jpg


しかしこれはあくまでも想像であり、本当のところは「織り手のみぞ知る」
     
ただし、この絨毯を見る人の感受性と想像力を刺激することは間違いない。

ネット上のニュースで「インターネットユーザーの品格」という面白い記事があったがライターさんはその品格を保つには、「感受性と想像力」が必要であると書いてあった。

心のために大切なもの。

それが絨毯の本質だとあらためて思う。

あえて、ここでもう一度部族絨毯の分類試みてみようと思う。

タイマニ族や『KAITAG』のようにまったく伝統にとらわれずに融通無碍に
文様や色彩を表現してしまう系統。方やトルクメンに代表される、頑なに自分達の色彩や文様にこだわる部族。
      
このこだわりの『有無』を基準に分類してみようか思う。    
     
by caffetribe | 2008-02-12 16:24 | 部族の絨毯について。

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