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部族の絨毯と布 caffetribe

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部族の絨毯と布

アジアの赤・民族の赤・赤い世界。

ここ一ヶ月ほど「赤という色」に出会う機会に恵まれた。
10年ほど前になるが、部族の赤い世界という企画展を何度か行った。当時集中して収集できたウズベク族の手仕事「スザニ」トルクメン族の伝統的「トライバルラグ=部族絨毯」、カンボジア・クメール民族による絹絣「サンポットホール=イカット」そしてビルマ・シャン族の漆工芸などである。
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                 ≪1998年 展示会のDM写真≫

集めてみると、どんどん「赤い色」のもつ不思議な魔力のような力に魅せられ「赤」にはどんな意味があるのか
世界にはどんな赤い色の手仕事があるのか、赤にまつわる世界に引きこまれて行った。

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   ≪ウズベキスタン タシケント 刺繍布 スザニ  ≫
赤にのめりこんだ原因のひとつがこの布との出会いであった。当時はスザニブームの少し前で、ソ連が崩壊して間も無く始まったウズベクの市場経済への移行期でもあり、ソ連時代に隠し持っていたアンティークな手仕事が放出されるというタイミングでもあった。知る人ぞ知る世界の至宝のひとつであったウズベクのスザニイカット(絹絣)を巡っての争奪戦が始まったばかりであった。
前置きが長くなったしまったが、このスザニはそんな時代に日本に渡って来たもので生成りの木綿地がほぼ見えないほどのみっちりとした刺繍が施されている。この大胆な構図はまさに力の象徴なのか、円形のモチーフは太陽とも月とも石榴とも言われるミステリアスサークルである。
渋谷のあるギャラリーで展示したときにこの布を正面に掛けていたら、あまりもインパクトが強すぎるので
取り替えて欲しいというクレームが来たこともあった。

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 ≪ウズベキスタン フェルガナ地方 チャパン 絹絣 イカット 文化服飾博物館所蔵≫
19990年代、目の聞いたバイヤー達は、価格差の大きいウズベキスタンからいち早く逸品を入手し、イスタンブールなどを経由して欧米のコレクターや美術館にディールしていた。まさに一攫千金のチャンスがあった時代である。

話は変わって、現在新宿にある文化服装学院服飾博物館において「赤い服」~日本と世界の様々な赤~という展示会が行われている。会期は9月30日まで先週末にはギャラリートークも行われた。
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さすがに世界各地の民族衣装のコレクションはトップクラスのモノばかりで見ごたえのあるものだった。
同時の「赤い世界」が展開され会場にいるだけで、ワクワクし、大げさだが体が火照るような感覚があった。
実は2回も見に行ったのだが、その度に高揚した気分を味わえた。

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        ≪文化服飾博物館出版 「世界の民族衣装」からの引用。≫

上から韓国・中国・アフガニスタン・シリアとどれもが見事な「赤い服の世界」である。
もちろん日本を代表する打掛やラシャの陣羽織など博物館の自慢のコレクション総動員の展示である。
展示では赤い染料なども展示され染織ファンには親切な展示にもなっている。

10月からは手仕事フェスタsui. vol2でもアジアの赤をテーマにした展示を予定している。
少し涼しくなってきた秋の入り口に「赤の色の不思議」を出来ればしばらく続けて見たいものだ・・・。
by caffetribe | 2009-09-14 23:56 | Life is color

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